8.無痛分娩、全体の流れ

当院の、無痛分娩の実際について、お話しします。

まずは無痛分娩教室へ

まずは無痛分娩教室という、私が直接お話しする無痛分娩についての講義を聞いていただきます。無料で、月に2~3回不定期に開催しています。詳しくはホームページをご覧ください。誰に来ていただいても大丈夫です。無痛分娩に対して反対意見を持っている親族の方、お子様、他院で無痛を予定している方など、毎回様々な方に参加いただいています。内容としては、無痛分娩全般的な話を、実際の動画を交えながら40分程度させていただきます。質問も大丈夫ですので、すべての疑問を解決していただければと思います。この講義は無痛分娩の啓蒙活動と、正しい知識を持っていただきたいというものであり、これを聞いたからと言って、当院で無痛をしないといけないという義務はありません。お気軽にご参加ください。

 無痛分娩をやりたくてもやれない場合、理由は「夫婦どちらかのお母様」の反対している場合がほとんどです。なので、無痛分娩教室で話を聞いた後、一度家で家族でゆっくり話していただきたいと考えています。ご家族皆さまが反対せずに、協力していただける環境が一番理想的です。誰かが反対するような環境では、安心して出産を迎える事はできません。ぜひ無痛分娩教室に連れてきていただき、疑問などを解決していただければと思います。

産科外来、麻酔科専門外来へ

当院で無痛を行うとなった場合、35週までに産科外来、毎週月曜日の麻酔科専門外来を受診していただきます。そこで改めて説明し、同意書をいただきます。その時に、無痛分娩を行う日を決定します。まだ妊娠初期の場合は、経過を見ながら決めていきます。

前日に入院

当院は月曜日に無痛分娩を行っていますので、前日の日曜日の昼過ぎに入院をお願いしています。夕方に産科医と麻酔科医で再度診察を行い、子宮頸部を少し刺激してお産に向けた準備をしていきます。10人に1〜2人くらい、その刺激で深夜に陣痛がくる事があります。その日は産科医2人、麻酔科医が病院で待機していますので、その場合は深夜から無痛分娩を行っていきます。

当日(子宮頸部全開まで)

当日は、朝7時30分に背中からカテーテルを入れていきます。8時から陣痛促進剤をゆっくりと使用し、経過を見ていきます。初産の方は夜、経産婦の方は昼くらいに産まれる事が多いです。経過に合わせて、飲水の時間制限を決めていきます。

途中は何度も経過を見に行き、診察も行います。その間は、テレビを見たり、睡眠をとったりしてゆっくり過ごしてください。

当日(児娩出)

お産が進み、いよいよ赤ちゃんが出てくる準備が整ったら、分娩代に移動します。

一般的には、初産の方は18時~21時くらい、経産婦の方は12時~15時くらいに赤ちゃんが出てくることが多いです。
 いきみ方を説明しながら、ゆっくりその場で練習していきます。息をゆっくり吸って、止めて気張る。それを数回繰り返します。
 分娩台で赤ちゃんを娩出開始から1時間くらいで、赤ちゃんが出てきます。本来なら一番痛いところですが、それまでに完全に痛みを取っていますので、痛みはありません。

少し休んで、赤ちゃんとご対面

赤ちゃんは体温調整が自分ではまだできないため、体をよく拭いてあげないと体温が低下してしまいます。2時間程度保育器で温まって、外の世界に慣れさせる必要があります。その間、喉をうるおしたりご家族とお話ししたり、SNSなどをやって休憩です。

その後、母乳をあげていきます。初めは母乳はでませんが、赤ちゃんを抱いて母乳をあげる事でオキシトシンというホルモンが出て、母親の自覚が自然と出ていきます。

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