6.無痛分娩中の制限

無痛分娩中には、独特な制限があります。

食事が自由にできない

これは普通分娩でも同じですが、食事が自由にはできません。これは、妊婦さんの場合消化能力が普通よりも落ちている事とと、もしも帝王切開手術になった場合、胃に何か残っていると危険度が上がってしまうためです。そのため、分娩が始まったら、一般的には何も飲まず食わず点滴だけで進行していきます。

当院の場合、個人に合わせて飲食の中止時間を決めています。妊婦さんではない普通の状態では、ゼリー状の固形物6時間、ミルクなど4時間、水は2時間で胃からそれらが無くなるとされています。分娩が始まると消化能力が悪くなり、普通の状態より消化が遅くなるため、倍程度の時間を確保しておく事が望ましいです。

当院では、分娩の進行を朝確認し、子供が出ている予想時間を逆算して、出産までまだ8時間以上かかりそうな場合はプリンやウィダーなどのゼリー状のものを、4時間程度まではクリアウォーター(太陽を透かした時に、透けて見えるもの)を許可しています。炭酸の有無は関係ないため、コーラやファンタ、サイダーなど甘くてすっきりするものをお勧めしています。

出産後はすぐにドリンクを飲むことが可能です。

トイレに自由に行けない

無痛分娩が始まると、血圧や酸素を測るための様々なコード付きのモニターを付ける事になり、歩くと邪魔になってしまいます。さらに、無痛中は普段より足が動かしずらくなったり、いきなり膝がカックンとなったりすることがあります。それが重なり、トイレに行って倒れてしまうような事があると母子ともに危ないため、当院では分娩が進行したら尿道バルーンというのを入れさせていただいています。尿道に管を入れるというと痛そうなイメージですが、そもそも下半身の痛みが取り除かれているので、違和感はありますが痛みは感じません。

膀胱は子宮の前にあるため、尿が溜まって膀胱が膨らんでいると、赤ちゃんが出てくる時にじゃまになってしまいます。尿道バルーンを入れると膀胱の尿はすべて外のバックに溜まるため、スムーズなお産に繋がります。

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