痛くはないけど、感覚が変な感じ
硬膜外に薬を入れると、徐々に浸透して神経に薬が届き、効果が現れます。
痛み ⇒ 動き ⇒ 触られている感じ
の順で、効果が現れやすいです。無痛分娩の場合は薬品の濃度が薄いため、痛みは取れ、動きが少し制限され、触られている感じは残ります。
また、この「痛み」という神経と「冷たい」と感じる神経は同じです。氷をずっと触っていると、冷たいという感覚から痛みに変わる感じがあると思います。これは同じ神経を使って電気信号を送っているからです。
これは無痛分娩中の感想を聞いたものです。
「ところどころ体に痒みがあって、
足の方は、冷たいとか、暖かい感覚は、今のところわかりません。
触っている感じは、わかります。
痛みは感じません」
痛みはありませんが、痛みと温度の感覚が同じなので、温度差がわからず感覚的に変な感じがします。両足を中心に軽くしびれているような感覚です。神経の太さによって、薬の効きやすさは個人差が大きいので、人によっては足が動かしにくいようになる事もあります。歩いて特に問題ないと本人が感じていても、トイレに座る時に膝カックンのような現象が起こったりするため、一人で歩くのは少々危険なので、基本的にはベット上で過ごしていただきます。
同様に、分娩終盤の胎児が出てくる時、ご本人は本気で力を入れていても、本来の50%以下しか力が入っていない事があります。これは痛みは完全に取れていて、同時に運動の神経も少し麻痺してしまっているためです。このために、無痛分娩ではどうしても副作用として時間が1割程度長くなったり、吸引分娩が増えたりします。
当院では、この状態で歩くと転んでしまう可能性があるため、無痛分娩が始まってしばらくたったら尿道カテーテルを入れて、ベットの上で過ごしていただくことになります。
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