2.無痛分娩の実際を、見る

普通分娩

普通分娩の場合、痛みの度合いは人それぞれで、「鼻からスイカを出す」「車にお腹を轢かれた感じ」と色々な言葉があります。逆に4.5%の方は、普通分娩でも痛みを感じずに出産する方もいます。

痛みの評価は医学的に解明されており、点数化されています。

例えばMcGill Scaleというのを用いると、50点満点で骨折や打撲が20点、指を切り落とすのが40点の中、出産は35点程度です。
 男性の場合、神経学的に女性より痛みに弱いため、男性が出産の痛みを経験すると痛みで気絶してしまう程と言われています。

このような痛みがどれほどなのか、分かりやすい動画があったので、参考にしたいと思います。

これは、芸人の「くわばたりえ」さんの次男さんの出産シーンが、テレビで特集された時の動画です。この時代、こういった動画をネットにのせる事がタブー視されていたため、非常に勇気のいる事だと思います。
 次男という事で「経産婦」出産なので、初産の時の半分の時間でお産は終わります。分娩室に行くまでの時間も、旦那様の献身的な介抱もあり、色々な体位になったりマッサージしてもらったりして痛みを紛らわせてくれているのがわかります。それでも出産の瞬間は、痛みがこちらにまで伝わってくる程の苦悶様の表情です。
 これは非常に日本中で行われている、一般的な分娩です。無痛分娩を考えていなくても、初産婦の方はぜひ見ていただきたい感動的な動画だと思います。

これに対して、無痛分娩はどうか。百聞は一見に如かず、とりあえず見ていただければと思います。

これは無痛分娩の場合の出産シーンになります。無痛の開始時期は施設によって違いがありますが、出産時は大体このような感じを目指していると思います。自分の力で出産でき、痛みは取り除き、出産後余裕がある状態が理想的です。

これは無痛分娩で出産20分後の動画です。喉が渇いているので、喉を潤しています。出産直前まで痛み無く寝ていたので、疲れなどもありません。この後はすぐ赤ちゃんにおっぱいをあげる練習をします。自分の赤ちゃんを抱くことで脳が母親であると認識し、オキシトシンが出て母親であるという自覚が自然に芽生えてきます。

出産の流れと、痛みの性状

出産には第一期から第三期まであり、痛みの場所と性質がそれぞれ違います。

第一期:10分間隔以内に痛みの波がきたら、陣痛開始です。ここから初産婦で約10時間、痛みの波に耐える必要があります。バランスボールに座ったり、四つん這いになったりして痛みの少ない体位を探しながらの時間となります。痛み出して最初の方はへそ回りに鈍い痛みがあり、だんだん下に痛みが降りていって、徐々に鋭い痛みに変わっていきます。

第二期:胎児が出てくる娩出期です。赤ちゃんが出てくるため、非常に鋭い痛みがあります。初産婦だと2時間程度かけて出てきます。

第三期:赤ちゃんが出た後に、胎盤が排出されます。この時は痛みの波は引いているので、第二期と比較すると楽になる事が多いです。

このように、痛みには「流れ」があり、「性状」も刻々と変わってきます。

無痛分娩を行うと、その時に応じて使用する薬品の量、濃度を変え、さらに薬を入れるやり方も変わってきます。
 具体的には、薬を追加するときに横になって足の下に布団を入れた状態で追加したり、右を向いてもらって追加したり、あぐらをかいてもらって追加したりします。どのタイミングどの濃度の薬剤を、どの量どの体位で追加するか。そのような事を考え、患者様と話し合い、コミュニケーションを取りながら進めていきます。

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